障害受容とは? : 精神障害・発達障害と向き合う自分らしい生き方
「障害受容」という言葉を聞いたことがありますか?自分の障害を肯定的に認め、受け入れていくことですが、「受容」というと少し重く感じるので、私は「理解」という言葉に置き換えています。 精神障害、発達障害は、ともに外からは見えにくい障害です。
そのためなおのこと、どのような症状や特性があるのか、またどのようなときに調子を崩してしまうのか、どのような状況でどんな困り事が発生するのか、自分自身でしっかり「理解」し、必要に応じて自ら発信することが大切です。企業面接でも必ず質問されるので、就職活動をする上でこの障害理解は不可欠です。
診断名との出会いは人それぞれ
ブログをご覧いただいているみなさま、こんにちは。平塚センターの宇佐美です。先日、私の担当している自己理解講座でもこのテーマについて取り上げ、ご自分の診断名は伏せた上で、無理のない範囲で利用者さま方に話し合っていただきました。
医師から初めて診断名を告げられたとき、「『やっぱりそうなんだぁ』と、答え合わせができた気分だった」、「ようやく診断をもらえて、ほっとした」と、肯定的に受け止められた方々がいた一方で、「初めて聞いたとき、全く実感が持てなかった」と、当時かなりの衝撃を受けたという方もいました。また、「もう少し早く知りたかった」と、長年の辛さを話された方もいらっしゃいました。
このように、診断名との出会いは人それぞれです。自分でずっと生きづらさを感じたり、心の浮き沈みに悩んだりして、自分から病院を訪れた方は診断を受け入れやすい傾向にあります。しかし、中には医師の診断に首を傾げたり、途中で診断名が変わり混乱したりする方もいらっしゃいます。「理解」の前にまず「納得」が重要なのですが、そこに疑問や不満があると前に進みにくいものです。なかなか医師に質問ができない方もいらっしゃるでしょう。ペガサスでは、ご本人の希望に応じてスタッフの通院同行もしております。
少し話がそれましたね。講座の話に戻りましょう。
講座の最後に、自分の障害について今どのように思っているのかについても、話し合っていただきました。「くよくよしても仕方がない」、「うまく付き合っていく」などとみなさんそれぞれ受け止められており、中には「努力して向き合っていこう」、「人との関わり方を学び、生きやすくしていこう」という積極的な考えも聞かれました。
誰もがこのように、最初から自分の障害を前向きに受け止められるわけではありません。「どうして?」と自問を繰り返したり、困惑したりするのは当然です。それでもペガサスに通われているみなさんは、さまざまな訓練や講座、スタッフからの声掛けや関わりの中で自分自身を見つめ、これまで自分でも気づかなかった強みや魅力をたくさん発見されています。先程、「実感が持てなかった」と当時を振り返られた方は、今のご自分について「新しく見えてきたものもある」と、自身の変化に気付かれたと話してくださいました。
知ることで得られた安堵
発達障害の方に多くみられますが、自分が悩む前に幼い頃保護者と病院を訪れ、本人ではなく保護者が医師から診断名を聞いているということもあります。保護者から本人にどのタイミングでどのように伝えるかという問題は、かなりデリケートな課題であり、ここで簡単にお話することは避けますが、やはり就職活動をするまでにはしっかり本人が理解しておく必要があります。
今回の自己理解講座をきっかけに、自らご両親に自分の障害について改めて尋ねた方がいらっしゃいました。その方は、おうちでしっかりとご両親とお話できたことに安堵したと、後日教えてくださいました。
どう生きたいかを考える第一歩
「自分のことを自分がいちばんよく知っている」という状態は、生きる上で安心につながります。「知っている」というのは、ただ単に診断名を知っているということではありません。ご自身がその症状や特性にどう向き合うのかということです。「どう向き合うか」というのは、「どう生きたいか」ということ。あなたがあなたらしく、無理なくのびやかに生きるには何が必要なのか、そこをしっかりと把握すること大切だと思います。
ブログをご覧いただいている方の中に、生きづらさを感じている方やどうしたらいいのかわからない方がいらっしゃいましたら、ぜひペガサスへご連絡ください。
是非、ご覧ください。