精神障害・発達障害のある方は、週何時間働けるのか
こんにちは。
就労移行支援事業所ペガサス逗子センターの井上です。
過日、国会にて、週所定労働時間が10時間以上20時間未満の精神障害者、重度身体障害者及び重度知的障害者について、雇用率上、0.5カウントとして算定できるようになります、との障害者雇用促進法の改正がありました。
最近の障害者雇用の動向については、こちらをご覧ください。
今後の求人票や、すでに勤務されている職場での労働条件など実務面での変化は、まだこれから先に出てくるかと思いますので情報を待ちたいところではあります。
今回の改正をきっかけに、精神障害・発達障害を抱えながらもこれから就労を目指す方、考えている方において、はたして週何時間働けるのか、考えていきたいと思います。
前提として、週何時間働けるのか、働いていきたいかは人それぞれです。
人により答えは違ってくるかと思います。
考えていく上で、いくつかの視点をもとに参考にしていただければ幸いです。
求人票という視点
求人票という視点では、障害者雇用の分野において現在は週20時間以上の求人が多い印象です。
長く就労支援をおこなってきた一人の支援員としての私見ではありますが、こちらが令和6年4月以降、または算定方法の見直しを見越して優秀な人材を確保すべく、変更日より前に週20時間未満の求人票が多くなる可能性があります。
雇用保険という視点
雇用保険のいわゆる失業手当、という視点ではどうでしょうか。
厚生労働省の資料より一部を抜粋いたしましたが、求人票とは別に、これから就労される方々にとって雇用保険に加入されるかどうかは、大きなポイントではないでしょうか。
こちらも考え方は人それぞれですが、あくまで一般論として失業のリスク回避として、生活を継続させるため雇用保険はできれば加入したいところかと思います。
体力という視点
働ける体力、という視点ではどうでしょうか。
いきなり週20時間と言ってもピンとこないかもしれません。細分化して、
一日5(4)時間×週4(5)日
の勤務がイメージしやすいかと思います。
一日5(4)時間労働だと、もしかすると休憩がないかもしれません。
はたして現在の体力で働けるのだろうかと、悩まれても致し方ありません。
また、給与額面に重きを置きすぎてしまい、無理してフルタイムで働いた結果、体調を崩さないだろうかと考えることも大切です。
訓練で働ける時間を考える、という視点
営業へと誘導しているような書き方で恐縮ですが、実際問題として働ける時間数を考えていくうえで、ペガサスのような障害福祉サービスの就労移行支援という制度を利用して、訓練を受けてみるという選択肢は大変効果的です。
パソコン教室で表計算ソフトなどの技術は身につくかもしれませんが、空いている日に予約を繰り返し不定期に授業に参加するだけでは、体力という点では把握しづらいと思います。
ペガサスでは週20時間訓練で精勤賞
ペガサスでは、ご利用開始の段階から利用日数について明確な考えのもと、ご利用者さまへご説明申し上げております。
一日5時間×週5日訓練
ペガサスの訓練時間は10:00~16:00(1時間休憩)なので、一日5時間訓練です。
そして、週5日(月~金)営業しております。
つまり、訓練を労働と見立てると最大で、週25時間労働とみなすことができます。
この時間数をもとにご利用を開始される方々は、将来自分はどのくらいの時間数で働きたいのかをイメージしていただきながら利用日数を検討していきます。
- 将来はフルタイムで働きたいが、いまはまだ体力の自信がないので週3日からスタート
- 再びパートタイム勤務を目指すため、前職と同じ時間数からスタート
- 連勤がハードル高いので、月曜・水曜・金曜日の利用(週3日利用)
などなど
ご利用者それぞれのニーズに合わせて利用日数を決定していきます。
そして、訓練を経て体力に自信がつきはじめたタイミングで利用日数を調整します。
ペガサスでは毎月、訓練を一定期間受けると表彰される制度があります。
皆勤賞 月間でペガサスの営業日をすべて利用
精勤賞 月間でペガサスの営業日の8割以上を利用
(想定として、その月の営業日が4週×5日=20日だとすると、16日以上、つまり週4日以上の利用)
この精勤賞(週4日=週20時間が狙い)を一つの目安として、どれだけ休まず利用ができるか、という視点で将来の労働時間数を考えてみてはいかがでしょうか。
なお、ペガサスでは必ず曜日を固定していただくようお伝えしております。
パートタイム求人の多くが、曜日と勤務時間を固定しているため、パートタイム勤務に慣れていただくためにも曜日を固定して検討いただいております。
一日訓練を受ける体力があるか不安なときは
曜日とは別に、実例としては多くありませんが、まずは半日からという利用方法もあります。
ペガサスの一日の営業時間は以下の通りです。
午前 10:00~12:00
午後 13:00~16:00
例として、職場(ペガサス)にいるだけでも緊張度が高く、終日の利用が難しい場合など、体力に不安があっても最小限の時間からスタートできます。
この場合、例としてこのような利用方法があります。
- 半日利用(午前2時間)×週3日からスタートして、慣れたら終日利用(5時間)×週3日に増やす
- 半日利用(午後3時間)×週3日からスタートして、慣れたら半日利用(午後3時間)×週5日に増やす
企業で実際に働いてみるという視点
訓練を受け体力に自信がついて利用日数を増やしたけれども、本当に働けるか自信がつかない場合は、ペガサスでは企業実習のサービスを受けることができます。
企業実習については、こちらのページをご覧ください。
在宅ワークという視点
働ける体力とは別に、そもそも通勤しての勤務が難しいと感じている方もいらっしゃるかと思います。例として、仕事はできるのに職場でのコミュニケーションで苦労された経験があり、出社すること自体がハードル高いと感じて、就職活動に踏み切れない場合など。ここ数年で一気に在宅ワークが広がりましたが、ペガサスでも将来在宅ワークを前提として、在宅で訓練を受けられるサービスを提供しております。
在宅訓練については、こちらをご覧ください。
サービス内容はこちらをご覧ください。
ざっといくつかの視点で書かせていただきました。
ご覧いただいた方々の将来の参考になればと願ってやみません。
ペガサス逗子センター
管理者 井上
追記
こちらに、週20時間未満で働いているペガサスOBの事例を掲載いたしました。
ぜひご覧ください。
自宅で訓練! 自宅で働く! ペガサスが全面的にバックアップします
昨年より、更なる支援領域拡大のため、在宅就労(テレワーク)を前提とした在宅支援サービス(訓練プログラム)と、就労後の定着支援サービスを実施しております。
障害があり通勤に不安がある方や、職場環境に影響を受けやすい方が、在宅で安心して就労できるよう全面的にバックアップいたします。
詳細は、こちらの在宅訓練ページをご覧ください。