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私たちはなぜ働くのか

面接会場のビルのエントランスで、「ここでコートを脱ぎましょうね」と利用者様に声をかけた記憶がありますので、あれはとても寒い日のことだったと思います。

「なぜ働くのですか?」

ある企業の面接官は、私の隣に座る利用者様にとてもにこやかに問いかけました。一瞬言い淀んだ利用者様は改めて背筋を伸ばすと、しっかりと志望動機をお答えになりました。面接官はうなずきながら聞き終えると、改めて彼にこう尋ねました。

「どうして働こうと思うのですか?」

なぜ働くのか?

利用者様の企業面接に同行したあの日からずっと、このテーマを自分の担当する自己理解講座で取り上げて、利用者のみなさんと一緒に考えたいと思っていました。しかし、講座資料を作っては、デリートボタンを押すことの繰り返し。気づいたらいつの間にか、入道雲からうろこ雲へと、空が模様替えをする季節になっておりました。

   なかなか講座資料ができなかったのは、やはりこの問いの大きさにあったと思います。「どう働きたいか?」ということは、利用者様と面談をする際によく伺いますが、「働きたい」と考えている利用者の方々を前にして、「なぜ働くのか」とあえて問うことは、私自身これまでなかったように思います。

さて、ブログをご覧頂いているみなさま、こんにちは。精神障害、発達障害の方々の就労支援をしておりますペガサス平塚センターの宇佐美です。

   このページにいらして下さっているみなさまは、少なからず働くことへの関心や興味をお持ちのことと思います。今から働こうと考えているみなさまも、すでに働いているみなさまも、改めて働く意味や働く意義について、ご一緒に考えて頂けたらと思います。

「お金のため」でもいいの?

私たちは、何のために働くのでしょうか? 

  真っ先に「お金のため!」という考えが浮かんだ方が、大半ではないかなと思います。

  先日、やっとこのテーマを講座で取り上げることができたのですが、利用者のみなさんにも伺いましたところ、なんと気持ちよいほど全員が、「お金のため」とお答えになりました。もちろん、私もそのひとりです。

「『お金のため』なんていう答えは、単純すぎてダメですか?」

ある利用者様がうつむき加減におっしゃいましたが、決してそんなことはありません。収入を得るために働くとは、とても立派なことです。

   ですが、もう少し具体的に考えておくほうが、より目的がしっかりするでしょう。得たお金を何に使いたいのでしょうか?どんな暮らしをしたいのでしょうか?旅行へ行きたい、趣味を充実させて心豊かな生活を送りたい、ひとり暮らしがしたい…など、より明確にしておくことが大事だと思います。

働く意味や目的につながるものとして、①「収入を得たい欲求」のほかに、②「他人に認められたい欲求」、③「自分を成長させたい欲求」、④「人や社会とつながりたい欲求」、⑤「仕事に楽しみや生きがいを見つけたい欲求」―というように、おおまかにわけて5つの欲求があるそうです。

このうち、①「収入を得たい欲求」と②「他人に認められたい欲求」は『外発的動機』に当てはまり、金銭や評価など、自分の外側から得られるモチベーションとなります。わかりやすく、即効性がありますが、良くも悪くも周囲に影響されやすいものです。

    一方、③「自分を成長させたい欲求」、④「人や社会とつながりたい欲求」、⑤「仕事に楽しみや生きがいを見つけたい欲求」は『内発的動機』に当てはまります。これらは、自分の価値観ややりがいなど、内面から湧き出るモチベーションであるため、それに自身が気付くまで時間を要することもありますが、一度見つけることができたならば非常に継続性が高く、周囲からの影響も受けにくいものです。

   働く意味を考えるとき、この5つの欲求のうち、自分はどれを抱いているのかをじっくり見つめてみるとよいでしょう。ここで強調しておきたいことは、これらの欲求には優劣がなく、いずれも等しく大切な動機となり得る、ということです。しかし、欲求はひとつだけにしぼるのではなく、複数持っているほうが望ましいでしょう。なぜなら、複数の欲求があれば、ひとつの欲求がなかなか満たされなくとも、自分を見失わずに済むからです。

なんとなく「働かなくちゃ」と考える危険性

さて、複数の欲求をしっかり抱いてから、仕事を探すというのが理想的ではありますが、中には働くことそのものの意味を十分に見つめる間もなく、なんとなく「働かなくちゃ」と思っている方も少なくはないことでしょう。若い方なら「学校を卒業したら働かなくちゃ」と考える方は多いでしょうし、歳を重ねればますます働くことは当然のことと思いがちかもしれません。この「働かなくちゃ!」という思いのみで就職すると、いざ仕事に困難さを感じたとき、「なんで働かなくちゃいけないんだ?」と自問の波に飲まれる危険があるばかりか、自問することすら罪悪感を抱き、「働かなくちゃいけない」と自分を追い込む危険もあるのです。

  あのときの面接官は、おそらくその危険性の有無を確認したかったのでしょう。

  果たして応募者は主体的に就職活動をしているのか、それとも周囲に言われて、なんとなくやっているのか、そこを知りたかったのだと思います。

  働く上で欲求は大切です。欲求とは、言い換えれば願望であり、希望でもあります。目の前の「働く」ということだけを目標とするのではなく、その先に目を向けてみるのはいかがでしょうか。 

働いて何を得たいですか?

働いてどんな自分と出会いたいですか?

決して大それた希望でなくてよいのです。あなたの視線の先にあるものが、あなたにとって大切な希望であるならば、それを叶えるために働こうとすること自体が、何にもかえがたく貴重なものと私は思います。

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