「書く・話す・試す・行動する」日常生活のヒントになるSSTとは
こんにちは。
精神障害者・発達障害者の方々の就労支援をしております、ペガサス平塚センターの上西です。
今回は、SSTという講座について紹介します。
SSTとは
SST(Social Skills Training=社会生活技能訓練)とは、
1つの定義として
「人間関係をより豊かにしていくためのコミュニケーションの取り方を学ぶ」講座です。
まずはアイスブレイクといった簡単なコミュニケーションワークを行い、気持ちを高めたり、緊張を和らげたりしていきます。
気持ちがほぐれたところでSSTの本編に入ります。
ここで、講座で大事にしている点は、
- 参加する皆さんが主役
- 学んだことを実際の生活に活かしていく
スタッフから何か一方的に知識を伝えるのではなく、スタッフと利用者の双方向で会話をしながら講座を進めるようにしています。
講座の流れ
大まかに流れを紹介します。
皆さんでルールを決める
参加者の方が安心し参加できるようなルールづくりを行います。
グループで円になるので、緊張される方はグループの外から見学でもOKです。
お題に沿って個人で「自分ならこのようにする」と考えてもらう
1人で考えるのが難しい場合は、スタッフと一緒に考える時間をつくっています。
自分の考えを共有していく
全体の場では知られたくないプライベートの内容も含まれているかもしれません。意見を発信するのは自由なので、パス(発言をしない)することもOKです。
出た意見を基に、参加者の皆さんで意見交換する
それぞれの経験や知識に基づいて発表されるので、「このような視点もあるのか」といった自分にはなかった意見が知れます。
それらを基にロールプレイ(お題を基にAさん、Bさん役に分かれて演技)をおこなう
体で体験することで学習の効果を高めていきます。
ロールプレイの良かったところ・さらに良くなるところの共有・まとめ
ロールプレイをみての感想や意見を話し合っていきます。
ロールプレイをしてくれた方に挑戦の拍手や良かったところをたくさん挙げると嬉しくなりますね。
こういった流れで講座が進んでいきます。
皆さんの困り事やスタッフの視点を基につくっていくので、お題は毎月変わってきます。
ここで一例を紹介します。
お題の具体例
Aさんは、友人のBさんから週末に久しぶりにご飯に行かないか誘われました。
しかし、その日は好きなアーティストのライブがあります。
Aさんは、どのようにBさんに返答しましょうか。
このような場面で皆さんはどのように返答しますか。
頑張って小遣いをためてチケットを買ったので、申し訳ないがお誘いを断わりの返答をする。
ライブにも行きたいし、久しぶりに連絡をくれたBさんにも会いたいので、Bさんもライブに誘う返答をする。
返答の仕方は、ニュアンスは似ていたとしても10人いれば10通りの答えがあるはずです。それぞれ自分の考えを自由に話していただいてOKです。
ですが、ここで意識していきたのは、
最初に定義した「人間関係をより豊かにしていくために、コミュニケーションの取り方を学んでいく」ので
→相手の立場を考えながら発言するということです。
もちろん自分の気持ちを伝えることはとても大事ですが、その言葉でその相手を傷つけることになっていないか、相手が不快な気持ちになっていないか。SSTではそれを振り返る、いい機会になると思います。
最後に
私自身、講座を皆さんでつくりあげていくところにSSTの面白さがあると感じます。
また、講座がためになった、楽しかったと言ってもらえると嬉しいです。
1人で全てを簡潔していくことは非常に難しい作業であると思います。
ペガサスでは皆さんの就労に向けて、一緒に様々な課題の解決を行っていきたいと思います。
私も仕事の進め方や考え方、人との接し方については色々な書物や人に聞くなどして日々勉強中です。ですので、SSTを通じて学びを得ることがでてきています。
これからもスタッフをはじめ、利用者皆さん全員でSSTをつくっていき盛り上げていけるような講座運営に努めていきます。
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