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発達障害の方が疲れやすい理由

就労支援事業所ペガサス平塚センターのスタッフ・秋山です。前回の私の担当ブログで精神障害の方が疲れやすい理由について取り上げましたが、今回は発達障害の方が疲れやすい理由について解説します。一般的に、発達障害の方は健常者に比べて易疲労性が高い(疲れやすい)傾向があると言われます。現在分かっている(推測されている)理由として主なものは、以下の6つです。

1. 感覚過敏

2. 活動過多

3. 睡眠コントロールの苦手さ

4. 完璧主義

5. 周囲に合わせようとして気を遣う

6. 自分で自分の疲れに気づき難い

1.~6.それぞれについて詳しく解説します。

  1. 感覚過敏:発達障害者の方の中には、元々感覚過敏の傾向がある方もいらっしゃいます。音や臭い、手触り(肌ざわり)や味などに敏感で、感覚や行動に著しく影響を受けることで、一般的な感覚の人に比べ、様々な苦手な感覚を我慢しながら生活していることもあります。それだけで大きなストレスを抱え込むことになり、疲労感を覚えることは当然とも言えます。通勤時の電車内での人との距離、ざわめきの大きい駅の混雑、職場の蛍光灯の眩しさや電話のコール音など、一般的な感覚では普通のことが、感覚過敏のある人にとっては辛くて耐え難いものもあるのです。
  2. 活動過多:発達障害の中でも特にADHDの人に多い、エネルギッシュで活動的な人に多くみられる傾向です。外見は比較的落ち着いているように見えても、実は頭の中が多動状態ということも珍しくありません。思考が目まぐるしく変化したり、色々なアイデアを次々と思いついたりと、頭の中がなかなか落ち着きません。楽しいことでも気掛かりなことでも、常時そんな状態でいれば、脳疲労を起こすことも想像に難くありません。
  3. 睡眠コントロールが苦手:元々上手く睡眠が摂れないと悩む方が多いのも、発達障害の人によく見られる傾向です。寝つきが悪い、中途覚醒がある、寝起きが悪い、寝過ぎてしまうなど睡眠の悩みは様々で、睡眠時間は平均的でも、眠くなるタイミングがずれてしまうこともあり、眠りたい時間に眠れなかったり、眠ってはいけない場面でどうしても眠くなってしまったりする方もいるそうです。無理に起きようとしたり、眠ろうとしたりすれば、かえって体は疲れるでしょう。
  4. 完璧主義で疲れる:発達障害の方の中でも「自分自身のこだわり」があって、常に自分が満足のいく水準で物事に取り組みたい、完成させたいということを優先してしまう人も珍しくありません。それ故、頑張り過ぎてしまう、常に全力で取り組むといったことから疲れてしまうことが想像できます。
  5. 周囲に合わせようとして気を遣う:発達障害の人の中でも、特にASDの要素を持つ人は、その場の雰囲気や空気を読む、相手の感じていることを察することが苦手なことが多いです。多くの人が何気なく、無意識にできていることでも、発達障害の人は頭と心、場合によっては身体をもフル回転、全力で対応していることが多々あります。周りから見て「普通に」過ごしているように見えていても、発達障害者本人としては、かなりのエネルギーを使ってなんとかやっていけている状態、という可能性があります。これでは、すぐに疲れてしまうのも無理はありません。
  6. 自分で疲れに気づき難い:発達障害の人の中には、物ごとに過度に集中してしまう方がいます(過集中)。集中力が高いことは一般的には良いこととされているのですが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」という言葉があるように、集中もし過ぎれば体の不調を招くことがあります。一度集中のスイッチが入ると寝食を忘れて、人によっては周囲の音や声まで聞こえなくなる程集中してしまうこともあります。集中の対象は仕事や趣味など様々ですが、このような場合には集中が切れた際、急激に疲労を覚えることもあります。また、発達障害の方はセルフモニタリングが苦手という場合も多いです。「今、自分はお腹が空いているな」とか「〇〇という出来事があったので、今自分は悲しい気持ちなんだ」など、自分の感覚や内面を自分自身で察したり、自分の気持ちや感情を整理して自覚したりすることが難しい、苦手だと感じる人が多いです。自分で自分の状態が正確に把握できなければ、その状態に対する対策も立てられません。「今私は疲れている」と分からなければ、「疲れているから早めに帰ろう」などの対策も立てようがありません。

発達障害の方が疲れやすい理由について1.~6.で解説しましたが、こうした発達障害の方ご本人に自覚があるかどうかに関わらず、『定期的な休憩を取る』ことが大切です。訓練中にはタイマーをセットしたりすることもお勧めしています。そして就労先によっては、配慮事項として企業に定期的な小休憩などをお願いすることもあるかもしれません。何故それが必要なのか、発達障害の方ご自身で企業側に理由を説明できると、周りから理解を得て更に働きやすくなることでしょう。

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