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就労移行支援とは?~ペガサスが精神障害者と発達障害者に特化している理由~

【就労移行支援事業とは】

障害者就労移行支援事業所とは、簡単にいいますと、一人で就職活動をすることが困難な障害を持った人が、必要な支援を受けながら働く力を身につけ、就職するための場所です。

【利用できる人】

就労移行支援事業は、障害福祉サービスです。
福祉のサービスであり、利用料も国が税金を使って一定額負担しますので、だれでも利用できるわけではありません。
企業への就労を希望する65歳未満の方で、行政が障害者就労移行支援のサービスを必要と判断した方です。行政の判断なので基準は断言できませんが、障害についての医師の診断書があれば、多く場合利用できています。

【利用料金】

原則1割負担ですが、上限額は以下となっています。
ペガサスでは、90%以上の人が、自己負担なしで利用しています。

生活保護受給世帯 0円
収入が概ね300万円以下 0円
収入が概ね600万円以下 9,300円
上記以外 37,200円

【ペガサスが精神障害者と発達障害者に特化した理由】

<雇用されない精神障害者、発達障害者>

平成28年6月現在、従業員50人以上の企業で働く障害者数は474,374人でその障害種別の内訳は、身体障害者327,600人(全体の69%)、知的障害者104,476人(22%)、精神障害者42,028人(9%)です。
一方、ちょっと古いですが、障害者白書平成23年度版によると、障害者手帳を持つ方の数は、身体障害者357.6万人(51%)、知的障害者49.1万人(7%)、精神障害者290.1万人(42%)です。
ただこれを労働人口で見ると、身体障害者123.7万人(37%)、知的障害者27.4万人(8%)、精神障害者180.8万人(55%)となります
(発達障害者は手帳種類では精神障害者手帳を取得するので、上記表の精神障害者に含まれます)

簡単に言うと、労働人口では一番多い精神障害者・発達障害者が、就労者数では一番少ないということです。

私は2002年に障害者専門の人材紹介会社を立ち上げ、その後上記の数字は、現実として肌身に感じていました。
何とか、精神障害者・発達障害者の就労を増やしたい、その想いで就労移行支援事業所を立ち上げました。

<なぜ、就労移行支援事業なのか>

2002年から約10年間、障害者専門の人材紹介会社を経営していましたが、その間に、何十人という精神障害を持つ求職者の人たちに会って話を聞きました。その時に感じたことは、精神障害・発達障害の人は、当たり前のことですが、みなさん働く能力を持っていて、中には、明日から正社員でバリバリ働ける人もいます。一方、今すぐバリバリ働くことは無理でも、必要な準備や訓練を受ければ十分働ける人もいる、といいますかそういう人が大部分を占めている、ということを実感しました。

そして、その準備や訓練を提供できるのは就労移行支援事業だと思い、立ち上げたということです。

【ペガサスでやっていること】

<まずは通うことから>

精神障害・発達障害の人たちの中には、治療のための療養や、いじめに会い引きこもってしまったなどの理由で、長期にわたり外出していなかった人が多数います。そういった場合は、まずは通うことから取り組みます。
朝から夕方まで、人とかかわりながら過ごすことは、しばらく遠ざかっているとかなり疲労しますので、そこに慣れることから始めています。
また、スタッフのサポートを得ながら、体調管理や生活のリズムを整えることに取り組みます。

<自己肯定感を醸成する>

通ってくる人たちの中には、過去に周囲から否定されたり、人間関係の中で傷つくなどして、自己肯定感を失ってしまった人が多数います。

働くうえで、自己肯定感は非常に大切ですので、それを取り戻すことを行っています。
学校や会社でつらい思いをした人は、組織に属することに恐れを抱いてしまう傾向があります。ペガサスは、スタッフが当然ですが障害理解があり、利用者さんをリスペクトしていること、また利用者さん同士もお互いに気づかうことから安全な場所です。まずはペガサスという組織に、安心して前向き・自発的に通う経験を積んでいただきます。それにより、組織に属することの安心感、充実感をつかんでいただきます。企業という組織でしあわせに働くためには、この感覚をつかむことはとても大切だと思っています。

<自己理解を進める>

精神障害や発達障害の人は周囲とのかかわりに課題を持つケースが多くあるので、ペガサスでは、自己理解講座など、コミュニケーション系のプログラムを多く行っています。グループワークで自己開示を行うなどして、人とのかかわりの中からの自己理解を促進しています。オープンなコミュニケーションは、自己肯定感も醸成します。
また、スタッフとの個別面談を月に一度は行うなどして、周囲から見える強み弱みのフィードバックを適宜行っています。

<企業実習を行う>

「働くための最も効果的な訓練は、働くことである」
この考えのもと、ペガサスでは、創業時より企業実習を重要視し、中小企業家同友会のネットワークを中心に、現在70社以上の実習先を持っています。
実習先ネットワークにつきましては、以下を参照ください。

実習には、以下の効果があります。

・施設内では見えなかった強みや課題が明らかになる。

施設内は周囲に理解ある人達囲まれた、安全な場所です。
一方、企業内には、いろいろな考えを持った人がいます。
その中で、実際に一緒に仕事をすることによって、施設内では確認できなかった強みや課題を発見することができます。

・やりきることにより、自信がつく

実習では、できる限りその人のできること、得意なことを行います。
期間はその時により違いますが(3日~1か月)、一定期間企業で仕事をやり切った経験が、働くうえでの自信につながります。もし過去に、仕事での失敗経験がトラウマになっているとしたら、仕事で失った自信は、仕事で取り戻すことが一番の近道です。

・自分の適性が見つかる

何がしたいか、何が得意かは、就職活動をするうえで、大切な要素ですが、ペガサスの利用者さんの中にはそれがわからない人もいます。理由は、働いた経験がない、もしくは少ないからです。複数の実習で色々な職種を経験することにより、自分の適性を探すことができます。

・就職前の確認ができる

「何をするか」より「誰と働くか」の方が、時として大切となります。
特に精神障害・発達障害の人は、色々な意味で環境に左右されやすいので、人的環境が大切となる場合があります。
いわゆる相性です。
こればかりは、実際に働いてみないとわからず、通常の採用では面接のみの一発勝負ですが、実習を行うことにより、雇う側・働く側が、お互いに実際に仕事をしたうえで事前確認をすることができます。

・思わぬ出会いにつながる

就職を前提とした実習ではなく、まずは実習だけのつもりが、企業側と実習生のお互いが気に入り、雇用に至るケースがあります。
実際に一緒に仕事をしたうえで、お互いが望み結ばれるのですから、ある意味就職するうえでは最高の形といえます。

企業実習の様子は、ペガサスのホームページに掲載している実習レポートをご覧ください。

<就職活動のサポート>

ペガサスは独自で開拓した求人案件をお薦めすることはありますが、職業斡旋会社ではありませんから、常に求人を紹介できるということではなく、その場合は利用者さん独自でネットやハローワークで仕事を探します。利用者さんが探した企業でまずは実習をしてみたければ、企業に交渉したりなどのサポートを行っています。
また、応募書類のチェック、模擬面接なども行っています。
委託契約を結んでいる、専門のキャリアカウンセラーのキャリアカウンセリングを受けることもできます。

<就職後の支援>

「就職はゴールではなくスタート」
「人は働くために生きているのではなく、しあわせに働くために生きている」
これは、ペガサス創業以来、揺るがぬ信念です。
この言葉を現実のものにするために、就職後のサポートにも力を入れています。
メール、電話、企業訪問における支援に合わせて、数か月に一度、卒業生の同窓会も行っています。気軽に集まり、スタッフも交えて、現在の状況を共有したり、お互いの悩みを相談しあうなど、息抜きの場にもなっています。

【就労移行支援事業所とは、しあわせに働くために準備をする場所です】

就労移行支援事業所ペガサスは、一人で就職活動をすることに不安がある精神障害・発達障害の人が、しあわせに働くための準備をする場所です。

自宅で訓練! 自宅で働く! ペガサスが全面的にバックアップします

昨年より、更なる支援領域拡大のため、在宅就労(テレワーク)を前提とした在宅支援サービス(訓練プログラム)と、就労後の定着支援サービスを実施しております。

障害があり通勤に不安がある方や、職場環境に影響を受けやすい方が、在宅で安心して就労できるよう全面的にバックアップいたします。

詳細は、こちらの在宅訓練ページをご覧ください。

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