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引きこもりは、良くないこと? 在宅勤務が拓く新たな可能性

【引きこもりについての、社会の評価】

「引きこもり」でネット検索をしてみると、上位に「引きこもりは、学校や仕事に行かず自宅で一日の大半を過ごしていると言われています。2,000年頃から社会的な課題となっています」という説明が出ています。

「社会的な課題」という表現からは、「良くない」ことという印象を受けますよね。

引きこもりは、良くないことなのでしょうか?

【本人が幸せであれば、引きこもりは問題ない】

引きこもりが良いか良くないか以前に大切なことは、本人がどう感じているか、だと思います。

本人が幸せに感じていれば、引きこもりは全く問題ないと思いますし、不幸だと思っていれば、「社会的な課題」かもしれません。

そういう意味だと、感覚的にですが、不幸だと感じている人が多いような気もして、であれば「社会的な課題」なのかもしれません。

【引きこもりを不幸と感じる要因】

では、なぜ不幸と感じる人が多いのか、私なりに考えてみました。

  • 周囲が本人に「良くない」という情報発信をする。

例えば家族が、「学校に行きなさい」「働きなさい」というようなことを言ったり、言葉に出さないまでも、遠回しにそう取られるような言動があると「引きこもっている自分は良くない」と感じてしまうように思われます。また、支援者の方がさりげなく外に出ることを促すことも、「外に出ることは良いこと」という意味にとらえ、逆に「外に出ない自分は悪い」と感じる一因になるかもしれません。

  • 社会的義務を果たせていないという思い。

周囲の人が、働くことや外に出ることを特に促さず、このままでもいいよと伝えたとしても、例えば本人の中で「働くことは、権利と同時に義務である」という思いがあると、その人が働いていないとしたら、働いていないことに罪悪感を覚えるかもしれません。

  • 社会とつながっていないことによる不安。

私もそうですが、学校に行って当たり前、就職して当たり前、という固定観念があるので、今までの人生で、どこにも所属していない時期は、わずかでした。人はどこかに所属をしていると社会とつながっているとういう安心感を得、逆にどこにも所属していないと、漠然とした不安を感じるのかもしれません。

【不幸から脱却するために】

仮に上記3つが、引きこもっている人を不幸にしている原因だったとしたら、どのようにすれば脱却できるのでしょうか。

1番めの、周囲からの情報発信については、周囲の問題なので、周囲が意識することによって解決できるかもしれません。

そして、2番目と3番目については、例えば無職の人であれば、就職することによって解決できるのかもしれません。

しかしながら、多くの人がなかなか就職できないようです。

それはなぜでしょうか?

【引きこもりの人が就職でいきない理由】

一つの要因として、「働く=会社に行く」という固定観念があり、だとしたら「働く=外に出る」が前提となるため、今現在、外に出ることができていない自分は、まず外に出ることから始めなければならない、まずは近所の図書館に行くことから始めよう、という流れになるかもしれません。

しかし、もし近所の図書館に行けなかったとしたら、「近所の図書館にも行けない、であれば働くことは到底無理」との思いが強化され、働けないという結果になっているのかもしれません。

【外に出ないで、働く】

それでは、「働く=会社に行く=外に出る」ではなく、「家で働く=外には出ない」と発想を変えてみたらどうでしょうか。

そうすると、まずは近所の図書館に行こう、というプロセスが省かれますので、そこで失敗をして働くことを断念してしまう、というリスクがなくなります。

そして、外に出ることができように頑張ろうというエネルギーを、家で働くために必要なトレーニングを行う、に転換ができます。

【在宅勤務を行うには、トレーニングが必要】

以上述べたように、在宅勤務を目指すことにより、引きこもりの人の就職が進んでいく可能性が高まるかもしれません。

しかしながら、在宅勤務は、外に出なくて済むというメリットがある一方、難しさもあります。

例えば、対面でのコミュニケーションができないため、チャットやメールなどのオンラインでの意思疎通を円滑に取る必要があったり、一人の環境で働くので、より一層の自己管理が求められます。

そこで、ペガサスでは、在宅勤務を希望する方のために、在宅での就労移行支援をリモートで行っています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

(利用には障害者手帳はなくても可能ですが、精神障害や発達障害の診断、またはメンタルクリニックに定期通院していること等が、必要になります)

【引きこもりは、良くないこと?】

引きこもりが、外に出ないことを意味するのであれば、例えば、外に出ないで在宅勤務で働き、納税して、給料でほしいものを買い(外に出なくてもネットショップで購入できます)、休日は自宅で趣味を楽しむ。

納税と、消費による経済活動への参加により、「社会とつながっている」という実感が持て、幸福感が沸き上がってくるかもしれません。

それによって、引きこもりの人が幸せになれれば、「社会的な課題」ではなくなります。

【引きこもりという言葉がなくなる】

私も含めて、障害者支援をしている人たちの思いとして「この世から、障害者という言葉をなくす」があります。

障害者が存在するのは、本人側の問題ではなく、社会側の問題なので、社会が変われば障害者という存在はなくなり言葉もなくなる、それを目指すということです。

新型コロナウィルス感染拡大により、多くの人が通勤から在宅勤務に変わるようになりました。そういう人たちの中には、もともとインドア派で、休日も外に出ない人もいるかもしれませんが、そういう人たちを引きこもりと呼ぶでしょうか。

平穏な心で、幸せに暮らしている人を、引きこもりとは呼ばないのかもしれません。

新型コロナウィルス感染拡大により、世の中は大きく変わりましたが、その中の一つとして、在宅勤務の急速な普及があげられます。結果として、企業側も、在宅勤務でも十分会社運営ができるということがわかりました。

私たちは、こういった世の中の変化を、社会的な課題の解決に利用する必要があるのかもしれません。

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