精神障害・発達障害の人が幸せに仕事を続ける、最強の方法とは?
【精神障害・発達障害の人が幸せに仕事を続ける、最強の方法】
精神障害・発達障害の人が幸せに仕事を続ける最も効果的な方法は、就労移行支援事業所と企業が強力なネットワークを築くことです。
なぜかというと、当たり前の話ですが、雇用するのは企業ですので、企業が支援機関のように強力に社員をバックアップすること以上に、幸せに仕事を続ける方法はありません(これは障害有る無しにかかわらず、です)。
従いまして、ペガサスでは創業以来このことに力を入れてきています。
では、なぜペガサスが、企業と強力な協力関係を築けるのでしょうか。
【中小企業家同友会における障害者雇用の運動】
それを説明する前に、私が所属している経営者団体について、お話させて下さい。
私は、就労移行支援事業所で、精神障害・発達障害の人の就職のサポートをするとともに、企業経営者という立場でもあり、中小企業家同友会という経営者団体に所属しています。
中小企業家同友会は、全都道府県にあり、全国で45,000人ほどの会員規模を持ちます。
平均の従業員規模は20-30人ほどで、主に経営者が経営の勉強をするための団体ですが、特徴として言えることは、組織として障害者雇用について積極的に活動していることです。
その一つの例として、1982年に、全国の中小企業家同友会を取りまとめる中小企業家同友会全国協議会(略して中同協)において、「障害者問題委員会」が設立されたことです。
(障害者問題委員会の「問題」は、障害者に問題があるということではなく、障害者を取り巻く環境に問題があり、それを解決していこうという意味です)
そして、それ以来、全国規模で障害者雇用についての問題に取り組んできています。
では、なぜ中小企業家同友会が障害者問題委員会を設立したのでしょうか。
事業規模的に、法的に障害者雇用の義務のない企業がほとんどです。
その理由は、中小企業家同友会が目指す、「人を生かす経営」の考え方に大きく根差しています。
社員を大切にしよう、という経営を追求した先に、障害者も働く仲間として、一緒に会社を支えていくメンバーとして考えることは、当然になりました。
【法律のためではなく、その人が必要だから雇われる働き方を目指して】
法律のために障害者を雇用する大企業と、中小企業家同友会の企業に雇われるのは、どちらが幸せでしょうか。
もちろん考え方は人それぞれで、障害者のために切り出された仕事だけをやっていた方が、負担がかからないのでいい、という人もいるでしょう。
しかしながら、障害の有無にかかわらず、その人がその人らしく働きたい、と考えた場合、幸せに仕事を続けることができるのはどちらでしょうか?
中小企業家同友会は、中小企業というよりは小規模事業所といった方がいい規模の企業の集まりです。
大企業のように障害者雇用の法的義務もないので、ハローワークの指導を受けて、障害者雇用の求人を出すこともほとんどありません。
障害者を生かしたい企業がいて、生かされて働きたい人がいる、なのに出会いの機会が少ない、本当にもったいないことです。
ペガサスは、中小企業家同友会の会員企業という立場と、就労移行支援事業を行っているという利点を生かして、両者を結び付けてもったいないをなくす活動に努めています。
【ペガサスが行う、企業への働きかけ】
<社員の理解がないケース>
経営者は、障害者雇用に関心を持つものの、社員の理解が得られず話が進まない、というケースは多くあります。
ペガサスでは、企業の全社員向けに、障害者雇用の基本的なところから説明し、社員の理解を得ることができるようサポートしています。
<ともかくわからないことだらけで不安なケース>
障害者雇用に関心はあるものの、ともかくわからないことだらけで何をどう
したらいいかわからなくて不安、というケースも多くあります。
そういったときは、体験してみること、ということで、まずは実習受け入れを行うことを勧めています。
論より証拠、といいますか、まずは体験してみることで、小規模事業所の経営者は行動力にはたけているので、受け入れてもらえるケースが多いです。
<実習受け入れ以前にわからないことだらけで不安なケース>
もう少し手前のケースもあります。
そういった経営者には、精神障害とは、発達障害とはから、まずはひざを交え、じっくり話します。
そうすると、以外に身近なことで、特に経営者は発達障害系の人が多いため(笑)身近に感じてもらえます。
【ペガサスが目指すところ】
<障害者雇用という言葉をなくす>
そもそも、人は法律のために採用されるものではなく、その人が必要だから採用されるものです。
それは、障害があってもなくても、人である以上変わりません。
そのためには、世の中でまだ多く持たれている「障害者は会社の負担になる」という先入観を払拭することが必要になります。
特に大企業においては、ほとんどの企業が法律のために障害者雇用を行っているので、その先入観を多くの会社で持っていると思われます。
一方、中小企業家同友会の企業は、従業員規模50人未満のところがほとんどでもあるにもかかわらず障害のある人を雇用しているということは、それは法律のためではなく、その人が必要だからであり、当然会社で戦力になっています。
そしてそれは、「障害者は会社の負担になる」という先入観とは、対局のものです。
そういった中小企業家同友会の企業での戦力になっている事例を発信、紹介していきます。
「障害者は企業の負担になる」という先入観を払しょくするためには、事例を知ってもらうのが一番と考えるからです。
<企業とのネットワークを生かす>
いわゆる支援者といわれる人たちは、「企業で仕事をするということは大変なこと、頑張らなきゃいけないよ」というように、当事者の人たちに必要以上に働くことのハードルを上げているような気がします。
(私が以前に書いた記事「精神障害・発達障害の人が仕事を続けることは、大変?簡単?」を参照ください)
確かに、仕事をすると大変なこともあり、本人の努力も必要です。
しかし同時に雇用する側の努力も必要となります。
両者の努力があってこそ、「幸せに働く」は成り立ちます。
我々支援者といわれる人たちの役割は、
1.「人を生かすために努力する企業」を探し出し、精神障害・発達障害の人達に情報を提供すること。
2.そしてそういった企業に対して、「人を生かすための努力」が実を結ぶように、働く人の特性を伝えること。
です。
ペガサスは、上記ふたつのことが容易に行えます。
なぜなら、上記1については、「人を生かす経営」を目指して努力を重ねる経営者が集まる中小企業家同友会において、そういった経営者(東京同友会約2200社、神奈川同友会約800社)とつながりがあります。
また、上記2については、ただつながっているだけではなく、日ごろの経営の勉強会を通した活動の中で、深い信頼関係を築いています。
【精神障害・発達障害の人が幸せに仕事を続ける、最強の方法】
精神障害・発達障害の人が幸せに仕事を続ける最も効果的な方法は、就労移行支援事業所と企業が強力なネットワークを築くことです。
なぜかというと、当たり前の話ですが、雇用するのは企業ですので、企業が支援機関のように強力に社員をバックアップすること以上に、幸せに仕事を続ける方法はありません(これは障害有る無しにかかわらず、です)。ペガサスでは、仕組みとしてこの方法を採用して、法律の有無や、障害の有無にかかわらず、どんな人でも幸せに仕事を続けることができる社会の実現を目指しています。