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うつ病のベースに発達障害がある場合 ~休職するだけでは問題は解決しません~

うつ病のベースに発達障害がある場合 ~休職するだけでは問題は解決しません~

【職場でうつ病に、休職するだけでは問題は解決しない場合があります】

うつ病のベースに発達障害がある場合、休職するだけでは解決しません。
まず休むことはもちろん大切です。
そして、その後、その人が幸せに働くためには、ベースにある発達障害にかかわる問題を解決する必要があります。

【うつ病と発達障害の関係】

職場で人間関係がうまくいかなくてうつ病になり、休職している方のご相談を受けることが良くあります。
その中で、うつ病になり、メンタルクリニックに行った結果、発達障害の診断を受けた、というお話をよく聞きます。

ある医療関係の方に伺ったのですが、うつ病には、発達障害がベースにある場合とそうでない場合があるらしいです。
発達障害がベースになければ、休んで元気になればあとは出勤を含めた日常生活に戻っても問題ないそうです。
しかしながら、発達障害がベースにある場合は、休んで元気になっても、職場に戻るとまたうつ病が再発し、最悪それを繰り返してしまうことにもなりかねません。
発達障害による、社会性やコミュニケーションの障害、感覚過敏などが原因で職場でうつ病になるのだとしたら、そこに対策を打たない限りは、根本的な問題は解決しません。

【うつ病のベースに発達障害があるとわかったら】

もし、うつ病のベースに発達障害があることがわかったら、うつ病の治療だけなく、認知行動療法を取り入れているなど、発達障害への対応ができるクリニックを選ぶべきです。
ただ、発達障害者本人の対応だけでは、問題は解決しません。
職場も、適切なサポートをする必要があります。

その第一歩として、発達障害の特性を正しく理解する必要があります。
一言に発達障害といってもその特性は多岐に渡ります。

発達障害の特性については、「発達障害の多様性 ~特性の幅広さを理解する~ 」を参照ください。
 

発達障害の多様性 ~特性の幅広さを理解する~

では、特性を理解した上で、どんなサポートが必要でしょうか。

<仕事の見直し>

もしその人が行っている仕事が、その特性に合っていなければ、合った業務に配置転換する必要があります。

<コミュニケーションについての配慮>

業務内容だけでなく、指示の出し方など、仕事を行う上でのコミュニケーションもその人の特性に合わせて配慮する必要があります。

<社会性についての障害などへの配慮>

業務以外の人間関係でも、トラブルを起こす場合があります。
そういった場合の配慮にはもちろん限界がありますが、少なくとも悪気があってやっているわけではなくて、脳の機能面での問題であることをまずは理解することが必要です。
(もしかして、本人もなぜ周囲とうまくできないか、原因がわからず悩んでいるかもしれません)

【うつ病からの職場復帰に向けて】

うつ病になった場合、まずは休むことが大切です。
十分な休養を取り、病状も回復してきて、そろそろ働きたいな、そう思えてきたとき、何から始めたらいいでしょうか。

<自力で行う>

前述した通り、うつ病のベースに発達障害がある場合、本人の対応も必要ですが、それだけではなく、職場の協力も必要になります。
もし、あなたが、職場の上司や同僚と良好な人間関係にあるなら、発達障害であることをオープンにして、その特性を理解してもらい、必要な配慮をしてもらえるようコミュニケーションを取りましょう。

<ジョブコーチを活用する>

職場の人と良好な関係にあっても、そもそも発達障害はコミュニケーションが苦手なことが特性の一つでもあります。
特に発達障害の人には「何となく生きづらいけれども理由がうまく説明できない」と感じているケースも多く、具体的な理由を本人も理解できていないので、当然他人にも説明できません。
そういった場合は、ジョブコーチを使うのも一つの方法です。
ジョブコーチとは簡単にいいますと、障害者が職場でスムーズに働けるように、職場の人との間に立つ、橋渡し役です。
公のものが多く、費用もかかりませんので、まずは電話で相談しましょう。
ジョブコーチについては、公のものを中心にいくつかあるので、ネットで検索して探してみてください。

<転職する>

そもそもうつ病になるくらいですから、職場での人間関係が良好でない場合があります。
自分が発達障害であることを打ち明けると、さらに不利益が生じる、そんな懸念を抱いてしまう場合も多いと思います。
そういうケースでは、休職期間を使い、ゆっくり休んで、回復次第転職するのも一つの方法です。

転職の方法については、「自分は発達障害?仕事を辞めたいと思ったら・・・・ 」を参考にしてください。
 

自分は発達障害?仕事を辞めたいと思ったら・・・・

【まずはゆっくり休みましょう】

私は毎月第一火曜日に(2018年1月は、都合により4日(木)です)、東京の新宿区にあるNeccoCafeで、精神障害・発達障害の人のための就職セミナーをやっています。
50回以上開催しており、参加していただいた方は延べ500人くらいになります。
その中に、うつ病で休職中の方も多く参加されました。
何度も私のセミナーに参加していただき、熟考に熟考を重ね、会社を辞める決断をした人もいます。
会社を続けるメリットもありますから、辞めることもすべてではありません。
うつ病中はとてもつらいと思いますが、大切なのはゆっくり休むことです。
そして未来のことを考えられるようになったら、今後のことをゆっくり考えてみてください。

【状況をポジティブにとらえる】

そして未来のことを考えられるようになったら、今後のことをゆっくり考えてみてください。
ある意味、これだけこれからのことをゆっくり考えることができる時間を持てるのは、そうめったにあることではないですし、いい機会だと前向きに考えるのも、いいかもしれません。

【誰かに相談しましょう】

一人で考えていると、うつうつとしてくる場合もありますので、誰かに相談してみるのもいいかもしれません。
首都圏の人しか来れないかもしれませんが、私のセミナーでよろしければ、ぜひいらしてください。

人生100年時代と言われています。
焦る必要はありません。

【職場でうつ病に、休職するだけでは問題は解決しない場合があります】

うつ病のベースに発達障害がある場合、休職するだけではなく発達障害にかかわる問題を解決する必要があります。
どう解決するか、ゆっくり休んでから考えましょう。
今後のことをゆっくり考えることができる、またとない機会、とポジティブにとらえてみてもいいかもしれません。

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