精神障害・発達障害の人に知ってほしい「仕事を辞める勇気」
【発達障害の人に知ってほしい「仕事を辞める勇気」】
発達障害の人は、得意なことと苦手なことの差が大きいこと、またまじめな性格ゆえ、苦手なことを頑張ろうとするあまり、2次障害として気分障害を発症してしまい、就活する上での大きなハンデとなることがあります。
幸せに働くためには、苦手なことを努力しない勇気、時には仕事を辞める勇気も必要です。
人生、気長に気楽に考え、自分を大切にしましょう。
【就活において、発達障害の人が抱える一番の課題】
ペガサスでは、就活するにあたり色々な課題を持つ人が集まり、それぞれの課題の対応に取り組んでいます。
もちろん、課題は人それぞれですが、その中の代表的な一つとして、「気持ちと体調の管理」があります。
例えば、発達障害の人の就活する上での課題は、「コミュニケーション」と思われがちですが、意外とこの「気持ちと体調の管理」が大きな課題であるケースが多いです。
【気持ちと体調不安定になる理由】
その大きな要因として、発達障害の2次障害として、気分障害を発症してしまうケースが挙げられます。
いじめにあったり、周囲との人間関係のストレスが原因で、発症するケースが多いようです。
中には、気分障害になり、メンタルクリニックに通院して、そこで初めて発達障害という言葉を聞き、自分がそうであることを知るケースも多く聞きます。
また、うつ病などの気分障害でも、そのベースに発達障害があることに気付かないと、根本的な対応方法を誤り、うつ病が悪化することも多くあります。
発達障害がベースにあるうつ病については、私が書いたブログ「うつ病のベースに発達障害がある場合 ~休職するだけでは問題は解決しません~」を参照ください。
【なぜ気分障害が、就活の課題になるのか】
気分障害を発症すると、心と体調の管理が困難になります。
私も経営者ですが、採用のポイントはマインドかポジティブかどうかです。
そして、マインドがポジティブであり続けるためには、体が健康でなければありません。
発達障害であっても、企業、または起業して活躍している人は沢山います。
そういう人達は、総じて心と体が健康です。
発達障害の人が、企業や社会で活躍するのに一番のポイントは、コミュニケーション力よりも、心と体の健康かもしれません。
【心と体の健康を保つために】
<発達障害の人は、なぜ気分障害をするのか>
総じて、発達障害の人はまじめな人が多いようです。
ですので、学校や職場で、発達障害に理解のない人たちに、短所を指摘されると、そのまじめさ故、短所を治そうとします。
しかしその原因は、本人の努力不足ではなく、脳の機能上の問題なので、治そうと思っても治せません。
そこを悩んでしまい、気分障害を発症してしまうわけです。
まじめさは、経営者の立場から言いますと、雇用するうえでは非常に貴重な長所となります。
ただ、これがあだとなり、逆に就活するうえでの課題となってしまうとしたら、なんと皮肉なことでしょう。
<発達障害の人が、気分障害を発症しないために必要なこと>
発達障害の人が、気分障害を発症しないために必要なことは、無駄な努力をしないことです。
自分の特性を理解して、できないことは努力せず、あきらめることです。
そして、自分のできること得意なことで勝負しましょう。
日本には、「努力は美徳」のような文化があり、努力しないといけないという風潮があります。
ただ、合理的に考えて、苦手なことを努力するのと、得意なことを努力するのと、どちらの方が成果が上がるでしょうか。
後者ですよね。
特に発達障害の人の場合は、得意と苦手の差が激しい場合が多いですから、その傾向はさらに顕著です。
僕もパソコンが苦手ですが、努力はしないことにしています。
そうすると、周囲も期待しなくなります。
どうせ努力してもたかが知れているので、得意な人に任せています。
サラリーマン時代も、その分、得意な営業で会社に貢献しようと頑張りました。
【発達障害の人に知ってほしい「仕事を辞める勇気」】
とはいっても、周囲の理解がないと、苦手なことを努力しないということは難しいですよね。
そこを打破するには、周囲に働きかけたり、部署を変えたり、会社を辞めたり、方法は様々です。
これについては、私のブログ「自分は発達障害?仕事を辞めたいと思ったら・・・・」に詳しく書いてあるので、参照ください。
ブログにも書いた通り、現状に対する対応策はいくつかありますが、手を尽くしてダメだった場合、気分障害を発症してしまうくらいだったら、思い切って辞めてしまうのも手です。
私のブログ「発達障害、自分自身の活かし方」の最後の方にも書いた通り、発達障害の人の中には自分を追いつめてしまう傾向人もいますが、気楽に考え自分を大切にしましょう。
会社や世間体のために、気分障害になってまで頑張る必要はないです。
また、自分の特性を理解して強みを生かす、といっても、自分を理解している人はそうはいないものです。
ペガサスなどの就労移行支援事業所で、自己理解口座を受けたり企業実習を行う中で、じっくり腰を据えて自分自身を見つめ直すのも貴重な機会かもしれませんよね。
ペガサスの取り組みについては、「就労移行支援とは?~ペガサスが精神障害者と発達障害者に特化している理由~」を参照ください。