発達障害・精神障害の方が幸せに働くために大切なこと
皆様、あけましておめでとうございます。今年もペガサスをよろしくお願いいたします。
新年第1回目のブログは、平塚センター髙梨が担当です。よろしくお願いいたします。
昨年、私は、ペガサス代表の木村と講演会の登壇を何度も致しました。
一貫して伝えたかったことは、
「これからの子ども達が将来しあわせに働くために 今必要な教育」です。
就労移行支援の現場から見えたこととして、お話しました。これは、日頃のペガサスの訓練で、教員生活が長かった私が実感したことが主な内容になっています。今回は、その講演の一部をお伝えしますので、
幸せに働くための3つの視点
障害が有る無しに関わらず、働くために大切なことを3つ挙げました。
【幸せに働くためのヒント】にして頂けたらと思います。
- 自己理解を深める
- 自尊心を育む
- 自己対処(セルフケア)ができる
今回は、この3点について簡単にお伝えしたいと思います。
自己理解を深める
自分を知っているようで、全く分からない?なんて、思ったことはありませんか?自分を知るためには、「相手を通して知ること」(相手は鏡)では、ないでしょうか?
発達障害の特性を本やビデオ、最近では、YouTubeで知ることも出来ます。でも、十人十色ですべて当てはまるものでは、ありません。また、環境によって表出する特性もあります。ですから、分からないのは、当然です。
しかし、分かるための基本を知っておくこが大いに役立ちます。
- 特性は治らない!なので、その特性にこだわらない。
- 自分の良さをいかす。無理なく楽しく働くために。
- 職場実践を通して、自己理解を深める。
そこで、ペガサスでは、職場実習を重視しています。
事例①:事業所での実務訓練(PC)が苦手で、やる気を出せないAさん。
企業実習で2つの会社を体験されました。手先が器用ですが、じっとしていられない面もありました。しかし、職場では、よく動いて、器用に作業をこなしていて、高評価で、本人のやる気と自己肯定感も高まり、ついには、就職の道が就きました。
昨年は、このような実績がいくつもありました。
企業実習のネットワークを70社以上確保するペガサスならではの強みです。
自己理解は、環境、年齢などの変化でブラッシュアップしていくものです。自分の意外な一面を知ることにもなりますね。
自尊心を育む
自尊心とは、「あるがままの自分を大切できる心」自己肯定感ともいいます。
「自分の感情を伝え、相手の感情を受け止める。」
簡単なようで大変難しいことだと思います。
発達障害、精神障害の方は、過去に辛いことが重なって心が傷つき、自分を否定してしまっている方も多いように思います。しかし、このような状況ですと、特性や障害が強く表れてしまう場合がよくあります。
事例⓶:過去の辛い思い出が想起し、人が信じられなくなってしまったB君。
スタッフの声掛けに切れてしまうこともありました。しかし、丁寧に話を聞いて、自己理解の面談を重ねていくうちに「過去は過去」と思えるようになって、彼は大変成長しています。
ペガサスでは、聴く力で利用者さんの自尊心を高める実践を重ねています。
自己対処ができる
体調の乱れ、気分の崩れ・・・など、誰でも起こってしまう出来事です。
特にコロナ渦で『セルフケア』が注目されています。
自己理解やセルフチェックができるようになると、「辛い時はどうしたら・・・」という知恵が生まれます。無遅刻無欠勤は、働くための基本ですね。
事例③:睡眠に乱れがあったCさん。
睡眠講座の学習やキャリアカウンセリングで自分の生活サイクルを整え、少しずつ努力をされていましたが、時々、「一睡も出来なかった。」と欠席がありました。ところが、企業実習で、毎朝早起きして通い続けたら、睡眠の課題が改善していきました。そして、実習後の今も時間前の通所が続いています。
【環境が人を変える】、しかし、自分一人では環境を変えていくことは、難しいのですね。企業実習がいいチャンスになりました。
ペガサスでは、利用者の方にセルフケアを身に着けて頂く取り組みもしています。体調の注意サインが出た時のリカバリーなどを一緒に見つけていきたいです。
2年間の取り組みで、「幸せに働くための土台作り」をしているペガサス就労移行支援事業所です。多くの方に幸せに働くためのパスポートを手に入れて頂きたいです。