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あなたの困っていることは何ですか~自己理解講座のご紹介~

「学生時代や仕事をしていた頃に、困ったことや苦労したことはありませんでしたか?」

そんな問いかけをもとに、自己理解講座は進んでいきます。

利用者さまはそれぞれご自身のことを振り返りながら、配布プリントに書き出していきます。すぐさまペンを走らせる方もいれば、じっとプリント見つめたまま書き出せない方もいらっしゃいます。書けなくても大丈夫。自分のことを考える時間そのものが、大切なのですから。

ご挨拶が遅くなりましたが、ブログをご覧いただいているみなさま、はじめまして。平塚センターのスタッフ、宇佐美と申します。よろしくお願いします。私は、月に1回、自己理解講座を担当しております。

自己理解の必要性は、ほかのスタッフがすでにブログに書いておりますので、ここでは割愛させていただき、平塚センターではどんなことをやっているのか、直近の講座の様子をご紹介していこうと思います。

みんなで出し合う体験談

さて、冒頭のお話の続きをしましょう。

ちなみに、私の担当する自己理解講座では、発表できる人が手を挙げて発表していただくスタイルをとっています。自分のことをお話する講座ですので、こちらから指名をしたり、順番に答えていただいたりする形は控えております。自分のタイミングで話せそうなことを、話せる方が話していただければOK。話すのが難しい場合は、みんなの話を聞いて、何かを感じていただければOKです。

というスタイルをとっているのですが、挙手をされる方が多いのが平塚センターの特徴。

満員電車、曖昧な表現、暗黙のルール、臨機応変な対応、電話応対、突然の予定変更…。

困ったことや苦労したことが、次から次へと出てきました。

「できたら、どんなふうに困ったのか、お話しできますか」

「『あっち、そっち』って言われて、わからなかったです」

曖昧な表現が困ったというAさんが、自分の体験を話してくださいました。

「あーわかる!」とBさんが共感の声をあげながら、「『適当に』っていう表現で困ることも多いです」と、ご自身の体験を付け加えられました。

「うん」「うん」と周囲のみなさんが深くうなずかれました。

続いてCさんが「『先輩の動きを見て』も、なにを見て良いかわからなかった」とおっしゃると、Dさんも「『なるべく早く』も、どのくらい急がないといけないのかわからない」と話されました。

発表されない方々もそれぞれ反応を示されながら、みなさんの話に耳を傾けられました。

『曖昧な表現』とひとことで言っても、こんなにたくさんのエピソードが出てきました。

「どんな発言も否定、批判、非難をしない(3つの『ひ』をしない)」と約束をしているからでしょうか、みなさん安心して思い思いにお話してくださいました。

みんなで考える自己対処

今回の講座は、困りごとや苦手なことへ自分でどんな対策(自己対処)ができるか、そして、自己対処をしても十分に力を発揮できない場合、企業側にどんな協力をお願いしたらよいか(合理的配慮)を考えていくことがテーマです。合理的配慮を企業側にお願いする上で肝心なのは自己対処です。ただ「困っているから配慮してほしい」では、企業に納得してもらえません。「できるだけ自分で対策するけど、それでも困った場合は協力をお願いします」という姿勢であれば、企業側も話を聞いてくれることでしょう。

ということを踏まえて、今度はみなさんで「曖昧な表現」に対する自己対処を考えていきました。具体的な体験を聞いたからこそ、いろいろと情景が目に浮かび、自分だったらどうしようかと我が身に置き換えて考えることができます。

「別な人にも聞いてみるといいのかな」と、やや困った様子でEさん。実際にそんな経験がある方もいらっしゃるようで、うなずかれる方がちらほら。

「具体的にどうなのか、質問すると良いと思います。例えば『なるべく早く』って言われたら、『いつまでですか』と聞くみたいに」とFさん。例を挙げながら話されていてわかりやすいです。

「『明日までですか?』とか、自分の感じた感覚で聞いてみるのもいいかも」とGさん。

これにはみなさん、「なるほど」と納得。自然な会話で曖昧さを解消できそうですね。

みなさんのアイデアで自己対処がどんどん挙がっていきます。本来なら自分で考えなくてはならないことですが、みんなで考えてみると新しい視点が加わり、「おー!なるほど!」と思えることも多いようです。

このように自己対処をしっかり考えた上で、配慮していただきたいこともみなさんで話し合いました。やはり、曖昧な表現は避け、具体的に伝えていただくことが大切という結論に至りました。また、自分から質問をするという自己対処を踏まえて、質問しやすい環境をお願いしたいという意見も出されました。

配慮をお願いする上で重要なことは、企業側にとって過重な負担にならないことです。

どうでしょう、ここでみなさんが考えた配慮は「過重な負担」になるでしょうか?

おそらくならないと思います。と言えるのも、あくまでも自己対処があるからです。

ただ「曖昧な指示は避けてほしい」だけでは、企業側はどうすればよいのかわかりません。「曖昧な指示」とはどういうものか、どんな困り感があるのかをご自身で把握し、それを説明できるようになることが不可欠です。その上で自分ではどんな対策をするのか、そして企業側にどんな協力をお願いしたいのか、一緒に働く方々にとっても無理のない範囲でお願いしたいことを考えていけるとよいです。

「困っています」と言えることが大切

さて、ブログをお読みになっているみなさんの中に、困った経験があっても「仕方ない」と諦めている方はいらっしゃいませんか?

もしくは、困ることが当たり前になっていて、もう「困った」と思うことすらなくなっている方もいらっしゃるかもしれません。

困ったことを「困った」と感じること、そして周囲に言えることはとても大切なことです。

もし困りごとを抱えて、どうしてよいかわからないと思っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、ペガサスまでご連絡ください。そして何に困っているのかをお話してみてください。私たちと一緒に、これからのことを考えてみませんか。

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